１２枚中9枚は開封 このＣＤ集は全３集で56曲が吹き込まれましたが、観世流の総曲数は200以上に上り、「大原御幸」「鉢木」「源氏供養」「道成寺」「蘆刈」「熊野」ほか、取りこぼしたのが残念な曲が少なくありません。現在宗家の清和氏の監修で、新たな録音が進行中で、観世元昭氏らの旧録音と抱き合はせでシリーズになつてをります（アマゾンでは検索できません）。できるだけ多くの曲を拾つてくれることを望みます。 謡曲は源氏・伊勢や和歌等の和文、漢詩漢文、平家等の和漢混淆文、さらにスポンサーであつた神社仏閣の意を体し宗教経典までが流れ入つた、中世文学・文化のごつた煮・集大成です。現代人が我が国の古語に通暁するには、これに耳を傾けるのが最もよい方法であり、かつ欠くことのできない体験であらうと思ひます。 第３集の構成は以下の通りです。シテのみ挙げます。 25、菊慈童・観世喜之、半蔀・橋岡慈観 26、邯鄲・観世清和、船弁慶・梅若盛義 27、西行桜・観世銕之丞 28、巴・大槻文蔵、東北・大西智久 29、屋島・観世清和 30、花筐・片山九郎右衛門 31、橋弁慶・観世暁夫、鉄輪・橋岡久馬 32、砧・観世銕之丞 33、葛城・木原康夫、鵜飼・梅若万紀夫 34、三輪・井上嘉久、安達原・浦田保利 35、蝉丸・片山慶次郎 36、山姥・梅若六郎